マニ車と初対面 |
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「マニ車が出来てきた」とのご連絡を受けて、山梨県北杜市白州町にある五風十雨農場へと出向きました。 わたくしピクシーも同行いたしましたが、白州も良い所ですね~。有数の米どころで、周りには美しい山々が そびえ立ち、田んぼには氷が張って大変美しゅうござました。 農場にあるログハウスに入ってみると、そこには待っていたのは!!! 高 さ2M、直径1Mの巨大な樽でありました!静岡の樽職人さんに特注で作っていただいた、タガのない美し い樽 で す。サワラの木でできていて、滑らかにカンナがけされた表面はしっとりつやつや。思わずなでさすりま す。こん な美しい木肌にうちの店主の絵を描いちゃうなんてもったいない!などとつぶやかずにはおれません。 そ んなわたくしの懸念をよそに、樽 職人さんは「このままじゃかえってもったいないので、せっかくですから 面白 いものにしてください」とのお言葉。本当にいいんですか~? 【マニ車とはチベット仏教で用いられる仏具で、円筒形の側面にマントラが刻まれており、内部には経典が 納め られている。これを回すと経典を読むのと同じ功徳を積むといわれている】 五 風十雨農場の代表、向山邦史さんがブータンへ行かれた際、このマニ車をご覧になって、ご自分の農場に 作り たいと思われたのだそうです。そして、この樽に絵を描く人を探されていた時に、うちの店主を推薦して くだ さる方があり、ご縁をいただきました。しかしこちら彫刻ではなく版画工房なのですが…と戸惑うわたく しの 心配をよそに、このお話の魅力に店主は二つ返事でちゃっかりお受けしてしまったのでした。 農場の裏手にはすでにマニ車を据え付けるための素敵なあずまやが建てられています。地元の建築会社である、 アシストさんによるもの です。この中にあの樽が設置され、水車の原理で回すとのこと。壮大な計画にわたくし かなりビビりました!しかし妖精顔負けなほどに天衣無縫な我が店主。もうわくわくしちゃって、絵の内容の 事で頭がいっぱいです。 代わりにわたくしがご説明いたしますと、マニ車の中には経典ではなく「ありがとう」と書かれたお札を 納めます。日本全国のたくさんの方々にお札を書いていただいて、それを集めて回すことで感謝の気持ちを天に 届けたいとのことです。 もともと神聖な祈りの道具なのですから、これに携わるにはよくよく真剣に取り組まなければならないと、 不信心なわたくしもさすがに身の引き締まる思いがいたしました。こんなわたくしの姿を他の妖精仲間に 見られた日には、悪戯好きで名の通ったピクシーの沽券にかかわりますので何卒ご内密に…。 |
戻 る | このHPの画像と文章は総て製作者に帰属します。 ŠNaoko Ota |