「よきお隣りさん」その10 原画展レポート② |
|
戻
る 戻 る |
こんにちは!ピクシーです。今日は前回に引き続き、原画展の様子をじっくりレポートいたします。 今回は版画絵本「よきお隣りさん~散歩道の精霊たち~」 の原画展ということで、絵本の内容に沿った形で展示さ れています。少年の「ぼくは散歩にでかけた」という言葉から始まる物語とともに、皆様にも森の小道を散歩している ような気分を味わっていただけたら嬉しいのですが。 まず中央のオブジェに架かっているのは、絵本の表紙になった「ツキヨニアソブ」です。 そして、木を守るように佇むのは、絵本の最初に登場する精霊、ギリードゥーです。 「朽ちかけた木も 年老いた木も 伐らせはしない それがお役目」 ギリー・ドゥー 木を守る妖精 木の下には不思議なものが色々とありますよ。これは本物の鳥の巣に、本物の卵の殻。 さてお隣りは、緑の瓶のなる木でしょうか!? いろいろな精霊たちに出会いながら散歩道を歩いて行くと、そこにはたき火跡がありました。旅人たちは今 どこへ? 「こっ てりとした脂身に包まれて つややかな淡白い肌の光沢 バターよ バターよ 盗み食いの味はひとしお」 バッテリー:スプライト:食料室の精霊 かくゆう店主は大のバター好き。この詩にはやけに実感がこもっているようですね。 木の根方にだらしなく座り込んでいるんはだれでしょう?
「不平不満をぼやくのは 悪いことじゃないさ 不平不満があるのに ぼやかないことこそ悪いのさ」 バリーボッグ:泥炭湿地の番人 さらに歩いてゆくと、不思議な場所へ迷い込んでしまいました。そこは“ガリトラップ”という円形の罠ですよ。お気 を付けください! 「暗 い森から出られない 何度も何度も同じ場所 慌てて崖から落ち るなよ はまり込んだな妖精の罠」 ピクシー:いたずら好きの妖精 ここはもともと更衣室だった部屋を利用して、わたくしピクシーが仕掛ける“迷い道”を表現しています。ふふふ。 鏡に映るたくさんのわたくし。どうなっているのか、おわかりになりますか? さらに道を行くと、うっそうと茂る笹の中に、黒くて小さいものがうずくまっています。
「僕 が誰だって? 小さな悪魔さ 君の心にもひそんでいるよ」 インプ:悪魔に分類された妖精 レプラコーンは靴を片方しか直してくれない偏屈な靴職人の妖精。かわいい妖精サイズの靴が仕上がったようです。 たてほやほやのライ麦です。まだ青々とした香りがしますよ。
無気味な形の炭や枝。この不穏な雰囲気の主はバーバ・ヤガーです。 「失 うのが恐ろしくて 始める事が出来ぬなら 火種をやろう 恐れを焼き尽くすための」 バーバ・ヤガー:石臼に乗って飛ぶ魔女
左は工房の庭から出土した石斧。店主は縄文時代のものだと言い張っておりますが・・・本当でしょうか? 右は去年収穫したお米の稲束。上に貼ってあるのは、少年の版画のイメージが決まるまでの変遷です。 長い散歩を終えて家に帰ると、家付き妖精のブラウニーが暖炉の火を絶やさずにいてくれました。
「人 間世界のそばにいる パンを一切れ ビールを少々 供えてくれ れば役に立つ 俺を呼ぶなら名前じゃない “よきお隣 りさん”とそう呼びな」 ブラウニー:家付き妖精 こうして少年の不思議な散歩は終わりました。少年と共にこの道を歩いて下さった皆様、心より感謝申し上げます。 初日にはオブジェの木の葉っぱが青々していましたが、最終日にはだいぶ黄色く色付いていましたよ。まるで絵本の 世界と同じように、四季がめぐったみたいですね。
←その9 おわり |
このHPの画像と文章の著作権は総て製作者に帰属します。 © Naoko Ota |