オリジナルデザイン |
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こんにちは!ピクシーです。 今日は版画のオリジナルデザインのお仕事についてお伝えします。ご依頼主さまのイメージをお聞きして新たに デザインを起こし、木版画にしてお渡しするわけです。 昨今、パソコンでちょちょいとやれば、小綺麗なデザインが自分で作れるご時世だとか。そんな中、生々しいアナ ログ感のある手刷り版画の年賀状があると、ハッとするほど目立つかもしれませんよ。
いかがですか?なにやら変に存在感があるといえますか。ご依頼主様のご希望としては、 1.ご主人が午年なので馬を入れて欲しい 2.ご主人はギリー・ドゥーに似ている 3.ご主人はキノコ狩りが趣味 という、いささか漠然とした情報を会話の中から引きだしていき、それを盛り込んでこうなりました。 そのご主人様の退職の内祝いにと、本染めの日本手ぬぐいをオーダーなさった際のデザインがこちら。 よく見ると、お地蔵様や富士山・トンボ・キノコ・戦車等が描かれていて、全体は迷彩柄に見えるように、という なかなか難しいオーダーでした。染めと版画はとても似ているので、デザインとしては作りやすいのですが、染めの 技術的制限もある中での色の配分は、店主もほとほと頭を抱えておりました。しかし、染め職人さんの素晴らしいお 仕事のお陰で、自分のデザインが日本手ぬぐいになった感動はひとしおだったようです。 お次はご依頼主様のお店の開業に当たって制作したデザインです。チラシだけでなく名刺や看板にもこのデザイン を使っていただきました。
好きな動物や嫌いな物を根掘り葉掘りお聞きしていく過程は、まるで心理テストのようでした。このやりとりが とっても大切なのです。 さてさてお次は、近日オープン予定のマッサージ治療院のデザインです。しかしまだお店のコンセプトが固まってい いないせいか、なかなかイメージが決まりません。本人が何が好きで何を求めているか、どんなお店にしていきたい か、それがはっきりしているほど店主にもそのイメージが伝わって、それが形になっていくのですね。「なんでもい いからお任せします」というのが一番危険です!方向性が漠然としていると、とんでもないことになりますよ。 そんな例として、デザイン案その1。
妖怪スネコスリってご存知ですか?目には見えないけれど、人の足にまとわりつくイタチのような妖怪です。何も 段差のない道でつまづいた時は、スネコスリのせいだといわれています。身体が固くなるとつまづきやすくなるも の。マッサージや体操で身体をほぐして、スネコスリにいたずらされないような身体になりましょう!ってネタとし ては面白いですが、それがイメージの治療院ってなんだか不安ですよね。思いついた時は盛り上がったものの、スネ コスリが棲みついちゃったらどうしよう・・・という不安もあって却下となりました。デザイン案その2。
マッサージルーム予定地にある立派な杉の木をシンボルツリーとして取り入れてみました。なかなか良いですが、 どうもクリスマスの気配がしますねえ。デザイン案その3。 スコットランドのウリシュクという人を助けてくれくれる妖精で、知性が高く、直感に優れているといいますから なかなか良いイメージですね。でもしわくちゃでやせこけており半身が人間、半身がヤギの姿で、アヒルの羽におお われ、髪がところどころ抜け落ちている、という見た目はイメージキャラクターとしてはちょっと問題があるような 気が・・・。デザインおこしは完全に迷走している模様です。 そこでお呼びがかかったのがこのわたくし、ピクシーでございます!妖精辞典のピクシーの欄を紐解きますと、 「とがった耳、とがった鼻、弓型の眉をした小さな妖精で、薄くて輝く羽をもち、緑色の衣服を着て、毒キノコや キツネノテブクロの帽子をかぶっている。鉄に弱く、怠惰を嫌い、ダンスや音楽、大きなパーティー、悪戯を好む。 彼らが認めた人間にはよく手助けをしてくれる。」とあります。ほほ~。わたくし達種族ははこんな風に観察されて いるわけですね。これが本当かどうかはさておいて、軽やかで愉快な感じがイメージキャラクターにぴったりです!
ぴたっとくれば早いもの。あっという間にデザインが完成です。後は文字をどう入れるか、色はどうするかを決め ていくだけです。こうしたやり取りの中でデザインを決めていくと、開業にあたっての気持ちの整理ができるという 感想もありました。 依頼主と作家の共同作業で作っていくオリジナルデザインの世界。やりとりしているのは、言葉だけではないのか もしれませんね。
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