クーナとの出会い | |
<CONTENTS> ●TOP ●工房案内 ●精霊の部屋 ●クーナの部屋 ●屋根裏部屋 ●展示場所 ●お問い合わせ ○戻る <戻る> | <小人クーナ> こんにちは、工房店主の太田二郎です。 ドラマ制作の方から「クーナ」についてお聞きした時、監督さんは少名彦名神やコロポ ックルのことも調べられていると知りました。 諏訪地方は大国主神の息子、建御名方神の逃げた土地なので、大国主神の建国した 出雲とは深い繋がりがあります。そして出雲建国の時、大国主神を手伝ったのが、 少名彦名神であり、出雲と縁のある諏訪は少名彦名神ともやはり関係のある土地なので しょう。 また、この辺りはアイヌとの繋がりがあるらしく、諏訪の地名も「スワップ」という アイヌ語からきているのだという説もあります。それならば、アイヌの人たちに伝わる 妖精コロポックルがこの辺りにいてもおかしくないようです。 そして諏訪地方で信仰されている神、または精霊として重要なのがミシャグジです。 この風変わりな名前の神は東京の「石神井」という地名などにその名残があります。 木を伝って人間世界にやってくるといわれており、縄文文化と弥生文化の混合した頃 から信仰されているという古い神様です。 このミシャクジの姿は小さな赤い子供か、猿のようだという伝承があり、赤い帽子の クーナを彷彿とさせるのです。 ドラマの中でクーナは「生きている人と死んでいる人を繋ぐ」存在だといいます。 異界と現世とを繋ぐ役割をもつものは、大きな神ではなくまさにクーナのような小さな 神や精霊たちであることは世界共通のようです。アイルランドの小人の妖精レプラコーン も古いケルトの神が変形したもので、あの世とこの世を繋ぐ存在です。少名彦名神や コロポックルやミシャグジは皆その部類に入ると思われます。 (クーナスケッチ) (試し刷り) <クーナの名前> ところで「クーナ」という名前の由来は何なのか、いろいろと思いを馳せてみました。 森の中に棲む小人なら木との関わりが深いので、久久能智神(ククノチノカミ)という 木の神から来ているのでしょうか?ククノチ神は北海道の神社にも祀られているので、 コロポックルとも関係していそうに思えます。 けれどクーナが生きている人と死んだ人を繋ぐ存在なら、村の境に祀られている クナド神が由来なのかもしれません。クナド神はイザナギ神が黄泉の国から逃げ帰 る時、追いかけてきた黄泉醜女(ヨモツシコメ)に投げつけた杖から生まれたと されます。そのため村の境に祀られ、悪いものが外から入らないように守る神といわれ ています。けれど、逆に人間がここまでの領域を使わせていただきます、という意味合 いが強いという説もあります。どちらにしろ、境の神は異界と人間世界とを掛け持つ 存在であり、まさにクーナを連想させるのです。 こんな風に勝手な想像をしてみましたが、真意は思いもかけないところにあったり するのでしょうね。 最近家の周りを歩いていると、いつの間にか赤い帽子の小人を目で探している自分 に気が付く今日この頃です。
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