第四回泊まり込み制作  塗装編

    戻 る

















































































































































   戻 る





   また雪が降っています。ここ白州に泊まり込んでから何度目の雪でしょうか。数分歩けばすぐ人家があると知って

 いるのに、なんだか孤立しているような寂しい気持になるから、雪って不思議ですよね。

  
                1

  さて、いよいよ塗装開始です。それにしても初めての素材を扱うのは緊張するものです。普段は水彩絵の具を使っ

 ているにもかかわらず、今回は油性の塗料を使うわけなのですから!なにせマニ車は外に設置されるので、風雨にさ

 らされることも計算に入れて、耐候性を優先しなくてはなりません。さらに、自然な素材を使いたいとのオーナのご

 意向もあり、自然塗料のオスモを使うことになりました。ちなみに、わたくしピクシーは強い匂いが苦手。オスモは

 匂いが少ないと聞きましたので、もうそれで決まり!となりました。

   

                7


  しかし、オスモは扱いが結構難しいとの噂。色々わからないことがあります。そこで当工房の情報収集の方法をご

 紹介しましょう。

  ①わからないなあと、ぼんやり考えている。→②人がふらりと訪ねてきて相談に乗ってくれる。→③その方が塗装

 に詳しい知人に電話をして質問してくださる。→④答えをバッチリGET!

 という運びになります。今回はこんなことが三回もありました。え?自分で調べないのかと?もちろんオスモの本社

 に電話しましたよ!教科書通りの返答をしてくださる担当の方に「お立場的に答えにくいとは存じますが…」と裏ワ

 ザ的な技法を聞いてみると、困ったようにしながらも親切に説明してくださいました。皆様のご協力のお蔭で、迷い

 が吹っ切れました。そう!今回は外壁塗装のようにむらなくきれいに塗ることが重要なのではなく、絵の具のように

 微妙なニュアンスを出したいのですから、むらも味のうちととらえて、正攻法ではなく裏ワザで攻めるしかありませ

 ん。

  さあやるぞ!と意気込んだものの、情けないことに缶の蓋が開きません。マイナスのドライバーでもあれば一発な

 のでしょうが、手元にはそんな道具が一切ありません。苦肉の策で思いついたのがこれ。


                 2

  さてなんでしょう?実は暖炉に使う薪を入れておく金属製の籠の下についていた金具です。偶然ポロリと取れたの

 です。それをダメで元々と試してみるとアラ不思議!あれほど苦戦していた缶の蓋がパカッと良い音をさせて開きま

 した。もうパチパチと拍手せずにはおれませんでした!

   
                  3

  

  さて次に、色を作る為の容器が問題です。原色7色を組み合わせながら、最終的には20色以上を使い分けたので

 すが、一度作った色を二度塗りまでの間保存しておく必要があります。そんな時便利だったのがこれ。


                   4


  実はプリンの容器です。農場の近くに平飼い卵屋さんがありまして、そこのプリンがおいしくって!事あるごとに

 食べていたのがこんな所で活きてくるとは。大きさといい深さといいぴったりで、蓋が閉まって乾燥も防げるし、木

 のスプーンで色の調合もできるという優れもの。わたくしの甘いもの好きが役に立つこともあるのですね!

  その他、洗浄液を入れるための瓶を農場中探しまわったり、塗料をかき回すための割り箸を探したりしながら、一

 つ一つアイテムを集めていったのです。まるでパズルのように、必ずぴったりの物が見つかるから不思議です。もち

 ろんもっと準備しておけばよかったのですが、実際にやってみて必要なものが分かった時には物資補給が受けられな

 いわけですから、これはもうあるもので工夫するしかありません。

  やっと準備が整いました。まず防腐処理として全体にステインを塗ります。せっかくの美しいサワラの木目を活か

 したくて、ナチュラルな色を選びました。樽の側面は約6㎡です。そこからだいたいの作業時間を見込んでいたので

 すが、やってみると思いのほか時間がかかります。そりゃそうですよね、彫ったのですから!彫り跡の凹凸を考えれ

 ば表面積は何倍にも膨れ上がっているはずです。しかもギザギザしているので、ステインがどんどん浸み込みます。


      

                    5


  そのひだというひだに丁寧に塗っていくようにとの店主からのお達し。わたくしがすでに作業に飽きてきたことを

 見越しての釘刺しですな!店主は根気よ~く塗りこみながら、こんな話をいたします。小腸や大腸には物凄い数の絨

 毛があり、脳にもひだがたくさんある。人間の身体にあるひだというひだを広げていったら、広大な宇宙を埋め尽く

 すほどの面積があるかもしれない。ひだにはそういうロマンがあるんだと…。よくわかったような、わからないよう

 な?とにかくこのひだが重要らしいと観念して塗っていきます。                  

  今回は頼もしい助っ人、IさんとTさんが来てくださり、丁寧にそして勢いよく塗り進めてくださるので大助かり!

 お蔭様でステイン一度塗りの完成です!彫り跡にステインが浸み込んでむらになったお蔭で、全体に表情が出てきま

 したね。これぞ裏ワザ!


                      6

  今日はもうステインが乾くのを待つのみ。せっかくできた空き時間ですから、Iさんの車に乗せていただき、塩沢

 温泉フォッサマグナの湯へ。農場にはお風呂がないので、実に一週間ぶりのお風呂であります!その日は昼間でも

 -3℃の冷え込みで、凍てついた強風が吹きすさぶ中での露天風呂はとっても刺激的です。濡れた髪を凍らせながら

 温泉に浸かっていると、なんだか身も心もスッキリしてきました!考えてみれば、地中(地)のマグマ(火)で温め

 られた温泉(水)に入って、風(風)に吹かれるなんて、まさに四大元素を一度に味わっているのですね。日本の温

 泉文化はなかなか奥が深い。わたくしめっきり温泉好きになりました。疲れた身体がほんわかゆるんで、今夜はよく

 眠れそう。                

             このHPの画像と文章の著作権は総て製作者に帰属します。  Naoko Ota

inserted by FC2 system