第四回泊まり込み制作 色付け編 |
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さて、お次は色付けですよ!使うは自然塗料の中でもかなり発色の良いオスモカラー。べったり塗って膜が張った ようになるのはNGで、とにかく薄~く塗るのがコツだそうです。薄~く薄~くとつぶやきながら、ドキドキの一色 目を塗ってみましょう。まずは缶から出したそのままの赤や緑。しっ渋いです! さすが自然塗料だけに、真っ赤や真緑はなく渋めの色味だとは知っていたのですが、下地にステインの色が入って いる為、思った以上に渋味が際立ちます。木目を残す周りの部分にステインを二度塗りしたので、全体のトーンが暗 くなったのも渋く見える原因でしょう。初めの予定では、四大元素の背景は暗めの色にして、絵の部分に原色を使っ て目立たせるつもりでしたが、原色がこの渋さでは背景部分とのメリハリが足りないかもしれません。 というわけで作戦変更!背景色に白を加えてみましょう。すると鮮やかなパステルカラーが出来ました。え!本当 にこんなかわいい色でいいのですか?店主に何度も確認します。なんだか取り返しのつかないことになりやしないか とおっかなびっくり。しかしもう、四の五の言っていられません。腹をくくって、てりゃっ!とばかりに塗って行き ますと、まあ鮮やかなパステル調に! 店主は自分でこの色を指示しておきながら、なるほどこうきたか!すごく気に入った!とさも驚いたご様子。なん だ、深い考えがあるのかと思いきや、場当たり的なだけじゃないですか! なんとなく漠然と渋い感じのマニ車をイメージしていましたが、急に極彩色の気配ですよ。でも考えてみればマニ 車は元々は密教の仏具なのですから、極彩色でも変ではないのですね。とはいえ全体のバランスはどうなのか、外に 設置された時の自然との調和はどうだろうかと不安がよぎります。しかしこうなったからには、この線でどんどん進 めていくしかありません。なぜなら乾燥時間が12時間もかかるせいで、もしどこかを塗り残すと一晩待たなくてはい けなくなるからです。こうなったら時間との勝負。せっせといきますぞ! わたくしピクシーは、色がたくさんあると楽しくなっちゃうタイプでして。もう色づくりに夢中です。ペンキを底 からかき回して、たら~りとプリン容器に移し替えて色を調合するのは、まるで魔女になったような、はたまた錬金 術師になったような気分。フフフ…なんて言いながら店主のオーダーに答えて色を作っていきます。ところが作業が 佳境に入ってくると、茶色のおかわり!はいはーい!次はピンクで!はいよ!って感じで、いつの間にか定食屋のお かみモードになってしまいました。 店主は細い筆でちまちまっと塗るのが好きで、わたくしは大きい筆でざっざっと塗るのが好き。というわけで、店 主は龍の顔や四大元素の絵の部分を担当し、わたくしは龍の身体や四大元素の背景などの広い部分をお手伝い。まあ 棲み分けというやつですね。
ここでも緊張するのが蛇女の顔です。皆さん、蛇女の顔色ってどんなだと思いますか?あんまり日焼けして健康的 な顔色っていうのもどうかと思いますよね。でも真っ白でもないはず。ああでもない、こうでもないと言いながら、 色を混ぜていって別の板に試し塗りを繰り返します。これはまさにお化粧と同じ。美しい貴婦人になるか、田舎娘風 になるかの瀬戸際です。生体反応をかろうじて感じさせるギリギリの白い肌色を目指します。塗る時もおしろいのよ うにパフパフと少しずつ乗せていく感じで。さて、気品がでましたかねえ? 二日かけて一度塗り終了です。でもなんだか統一性に欠けるような、バラバラした印象。でも大丈夫。二度塗りの 時はもっとバランスを考えて色を調整していく予定です。それにしてもこの極彩色!自分で考えてあれこれやってい るというより、塗料の特性上否応なく色が決まっていく感じが、まるで何かに導かれているような不思議な感覚。 そうかあ、こういう方向性なのかあと、店主自らが感心しています。わたくしもまるで狐につままれたような気分で あります。
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