版画の色が決まるまで

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  こんにちは!ピクシーです。今日は工房の新しい仲間をご紹介しましょう。

  「毛もじゃ」です!

   

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   ぱたぱたぱたぱた・・・
 

  え? 私は「毛もじゃ」という名前ではない!と抗議の足踏みをしておられます。これは失礼。正式には

 「パッドフット」というヨーロッパの妖精です。その名もパタパタする足音というような意味だそうです。

 そうはいってもあんまり毛がもじゃもじゃしているものですから、ついつい「毛もじゃ」と呼んでしまうのです。


   ぱたぱたぱたぱた・・・

  あぁ、すみません。もう呼びませんって。眠っている時に、頭の上をパタパタと足音が駆けて行ったり、

 天井裏でパタパタ音がする事ってありませんか?そんな時はこんな妖精が走り回っているかもしれませんね。

 え?そんな足音は聞いたことがないと?工房ではしょっちゅうパタパタ音がするもので、ついどこでもそうなのか

 と思っておりました。

  それはさておきこの作品、色が決まるまで本当に紆余曲折した珍しい作品です。作品によっては一回で色が決

 まってしまうケースもあるほどですが、その特徴が“音”なので“色”が決まりにくいのでしょうか?

  まず版木にそれぞれ色を載せて試し刷りしてみます。



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  このベースの部分に線画を載せていくわけですね。
   

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  この線彫りの部分だけで4枚の版木が使われています。板にデザインを写す作業、そしてもちろん彫る作業を

 想像するだけで気が遠くなりますね。よくこんなに細かい作業をやるもんだとあきれるほどです。

  そして今回の問題は色。この複雑な色の絡み合いをどう処理していくのでしょうか?



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  おっと!また渋い色ですね。そこに赤の線が入るとまがまがしいような感じもします。組み合わせによって、

 色が浮いたり沈んだり。やればやるほど混迷を極め、試作品は数を増すばかりです。



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  6枚の版木を使うと、一体何通りの色の組み合わせが可能なのでしょうかね?それはもう迷いだしたら止まり

 ませんが、不思議としっくりくる組み合わせがあるものなのです。そしてたどり着いたのが、冒頭の作品の色です。

 しめて全12色となりました。店主は「毛もじゃ」にほとほと泣かされたと言っています。


   ぱたぱたぱたぱた・・・

 
  
またそんなに興 奮して!その足音に猫が反応していますよ。飛び掛かられないようにご注意くださ~い!


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