北杜市周辺地図








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   これから北杜市周辺地図の解説をさせていただきます。地域ごとにクローズアップした版画と、その地域 に対応し

 た歌とその解説をいたします。長~くなる見込みですので、ご興味のおありになる方だけお付き合いください!

   

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    御 射山の神戸八幡大ケヤキ 今も踊るかウロのムジナよ

   神戸(ごうど)にある八幡様には大けやきがあって、そのウロの中にはムジナが棲んでいたといいま す。明治の頃

 までムジナは人に化けて盆のお祭りで踊ったということです。


      天神の小山にまします天狗さん ロシアの森では レーシーの名で

  ロシアには森の番人である妖精のレーシーがいて、人間を道に迷わせるなどのいたずらをします。神戸にある小高

 い山の上の天神様の境内には天狗が祀られていますが、天狗もまたレーシーのようないたずらを時々するものです。

     

    管 狐悪さが過ぎて筥(はこ)の中 海を渡れば使い魔インプ

  昔、立沢に悪さをする管狐がいました。管狐とはマッチ箱に入るくらいの狐で、人間が呪いの為に使い魔として利

 用します。ヨーロッパにもインプという妖精がいて、やはり使い魔として魔女に飼われていました。


   

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     忽然と姿消す村稗之底(ひえのそこ) そこはかとなくイスの伝説

  立沢には稗之底という村があったそうですが、ある時その村は消えてしまったそうです。ケルトの伝説にも一夜に

 して消えてしまったイスという王国の伝説があります。


    立 沢に縄文の石たたずんで ドルイド僧の集う場所かも

  立沢には縄文時代のお墓といわれる群石地があり、それはまるでケルトの石群“ドルメン”を思わせる為に、

 ドルメン類似遺跡と呼ばれています。そんな石群にはケルトの僧侶であるドルイド僧たちが夜な夜な集会を開いてい

 るかもしれません。


    オ オカミの口に手を入れ治郎兵衛や 勇まし姿フェンリルとチュル

  乙事にはオオカミ退治をした治郎兵衛の話があります。治郎兵衛はオオカミと戦う時、オオカミの口の中に手を

 突っ込んだそうです。北欧神話には巨大なオオカミ、フェンリルの口の中に右手を差し入れたチュルという勇敢な神

 様の伝説があります。


    戯 れで射った弓矢が目に刺さり 祟る旅人祀るお社

  子供がふざけておもちゃの弓矢で射た矢が、通りがかりの侍の目に刺さり、それが元で侍は死んでしまいました。

 その後祟りがあり、供養のためにできたのが弓箭(きゅうぜん)神社です。



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      彦爺さん白馬に乗るか入笠の その正体はゴルゴンの蛇

  空飛ぶ白馬に乗って入笠山へ行く彦爺さんの伝説では、白馬は白蛇が変身したものです。ギリシャ神話の翼のある

 馬ペガサスはゴルゴンの血から生まれたそうですが、ゴルゴンは頭から蛇がいっぱい生えている怪物です。蛇が空飛

 ぶ馬に変身するところが似ています。


     合 戦の声騒がしく亡霊の 成仏させたるあまん堂にて

  瀬沢で武田と信州四大将との合戦があった後、戦で死んだ亡霊たちが騒いだといいます。その霊を尼さんが成仏さ

 せ、村人はお礼に尼の伏戸を造り、この地を「尼堂(あまんどう)」と呼んだそうです。


     蛇 込(じゃこみ)不動大蛇眠るよ岩の下 生え出るイチゴ世界樹のよう

  富士見にはヤマトタケルに殺された大蛇が埋まっているという蛇込という場所があります。お不動様が祀られてい

 て、初夏には野イチゴがいっぱい生ります。北欧神話で世界を覆うような大きな木である世界樹の根には、ニード

 ホッグという大蛇がいますが、野イチゴの群生も世界樹のように大きくなるのでしょうか。


     釜 無の川底眠るお宝は ジグムント持つ指輪なるかな

  釜無川の底には大蛇の宝が沈んでいるといいます。英雄ジグムントが出てくるゲルマン民族の神話にも、宝を川に

 沈める話があります。



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     山 向こう怪しい炎うごめいて そりゃ狐火かまたはピクシー

  乙事あたりには人を化かす狐のお話がいくつもあります。狐火という不思議な火が山向こうに見えたという話もあ

 りますが、それはまるで西洋の妖精ピクシーやスパンキーなどを思わせる光景です。

  

     蛇 殺し娘病に血を飲ます なれどかなわず白蛇の石碑

  葛窪のある農家の娘が重い病になったので、両親が精をつけさせようと白蛇の血を娘に飲ませましたが、その甲斐

 もなく亡くなりました。両親は白蛇に申し訳ないと思い、石碑を立てたということです。


      膳椀を返しそびれたおさわ藤 池の袋の水の精なる

  池袋(いけのふくろ)には昔大きな池がありました。その池の神様は、人々が頼んだ時には膳椀を貸してくれまし

 た。しかしある家で一つだけ膳椀を返さなかった為、池の神様は怒ってその家の娘のおさわをさらってしまったとい

 うことです。おさわは池のほとりの藤の花になりかわったと伝えられ、今でもその場所では美しい白い藤の花が咲く

 のが見られます。


     獅 子の口父に飲ませた湧水が ネクタルならぬ諸白(もろはく)の酒

  昔、息子が病の父親の為に泉の水を汲んできて飲ませたところ、それは酒であったという伝説があります。その泉

 は仙厳清水と云い、獅子の口という場所にあります。この諸白といわれる不思議なお酒は、まるでギリシャの神々が

 飲むネクタルという不老不死のお酒のようです。


     井 戸尻に太古の息吹き甦り 月を抱くは土器の神々

  井戸尻遺跡には様々な文様の描かれた土器が出土しています。新月の時、月は神様の脇の下に隠されているという

 神話を表す土器もあります。



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       下蔦木日蓮杖が突き刺さる 蔦這う前はアーサーの剣

  下蔦木には日蓮上人が説法をしたという大石があり、その側に突き刺した杖から蔦が伸びたといいます。もし杖を

 石に突き刺していたとすれば、アーサー王が子供の頃に抜いたという、石に刺さった剣を思わせます。


      ダ イダラの足跡いっぱい池となる そはいずこからヒッタイトから

  この辺りには巨人ダイダラボッチの伝説がたくさんあり、巨人の足跡は池となったり、落とした岩が山となったり

 しました。ダイダラボッチは産鉄民に伝わる伝承ともいわれ、それならば鉄器文明のおおもとであるヒッタイト文明

 まで遡れる伝説かもしれません。

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