NIMBLEMEN







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  田んぼの仕事帰り、畦道にオオバコの葉が茂っています。

 茂っているというよりは、踏まれ続けてしわしわになっている

 といった方がよさそうな草ですが。

  その中に、はっと目を引く一群のオオバコ。葉っぱがきれい

 に並んで輪っかを作っているのです。

  どうみても夜中のうちに彼ら(妖精たち)がこの周りで踊っ

 ていたか、葉っぱに座って輪になっておしゃべりしていたに違

 いありません。ニンブルマンは月の光の中で踊る妖精ですが、

 彼らのいた気配が、まだこのオオバコの葉に残っているようで

 す。

  そういえば昔、遠く外国の地で、一晩中汽車に乗ってある町

 へと向かっていますと、それは満月の煌々と輝く夜でしたが、

 窓の向こうには廃線となった汽車が、暗闇に朽ち果てて捨てお

 かれていました。私の乗っている汽車は、その前を速度を落と

 してゆっくりゆっくり通過していきます。

  するとその廃車の中から、不思議な音楽が漏れ聞こえてくる

 ではありませんか。月光の下の、もう二度と動くことのないで

 あろう汽車の漆黒の車内から、なんとも物悲しい音色が漂って

 くるのです。

  あれもニンブルマンたちの仕業だったような気がします。


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