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<2023.4.4> 春です。草花も虫も一斉に湧き立っております。 冬の間、創作三昧でこもりっきりだった店主も、のそのそと外作業に繰り出しました。
今年の春の訪れは、不思議な鳴き声から始まりました。 工房の敷地にある小さな溜め池の辺りから、クルル…クルル…と玉を転がすような 可愛らしい鳴き声がします。 まだ朝はマイナスにまで冷え込む頃合いなのに、一体何が鳴いているのでしょうか? ある日、その姿を偶然見ることができました。 それはシュレーゲルアオガエルのようです! 「カ
エルの鳴き声聞いてみよう!」というホームページでその鳴き声と姿を確認いたしました。 実はその溜め池は、最初は水の張っていない、ただのコンクリートの枠でした。 せっかくだからと、そこに水を貯めた途端、色々な生き物が棲みつき始めました。 どこからくるのか、マツモムシやらタニシ、アメンボ、ヤゴ等など。 セリや藻やハスも旺盛に育って呼吸してくれるので、溜め池なのに水は澄んでいます。 深々とした堆積物の中には、沢山の生き物たちの気配。 その中でも代表的なのがカエルです。 アマガエルやアカガエル、そしてトノサマガエル、さらに15センチはあろうかというヒキガエルもいるのです。 その様々な種類の蛙の卵が池の中で孵化しては、カエルとなって庭のあちこちに広がっていきます。 ポストの郵便物を取ろうとすると…。
そして洗濯物を干す為に、物干し竿に手をかけようとすると…。 「あ、失礼しました」と、こちらが謝ってしまうから不思議です。 そしてこの度、シュレーゲルアカガエルが彼らの仲間に加わったというわけです。 明らかに以前はいなかった種が、人工的な溜め池に増えるのはどうしてなのでしょうか? 「あっちの方にに、小さいけどなかなか住み心地の良い池があるらしよ」なんて風の噂を聞きつけて はるばる引っ越してくるのでしょうか? つくづくカエルというのは本当に不思議な生き物です。 カエルといえばフィンランドには「パラ」というカエルの姿をした妖精が、民間伝承で語られています。
工房の庭のあちらこちらで出遭う、不思議なカエルの一匹が妖精ガエルだったとしても、 何ら不思議ではない気もします。 これから初夏に向けて、カエルの鳴きかわす盛大な声が池の周りに響き渡ることでしょう。
<2023.1.15> 今日は季節外れのクリスマスのお話です。 クリスマスの時期になると、様々な妖精たちが人間と関わりを持つようになります。 なぜならクリスマスの近づく頃合いというのは、日本のお盆の時節のように、あの世とこの世の 境い目が曖昧になるといわれているのですから。 当然あの世、すなわち異界の住人である妖精たちも、私たちの住む世界に姿を現わしやすく なるのです。 その代表とされるのがサンタクロースではありますが、そもそも今様の赤い服を身につけた サンタクロースの前身は聖ニコラウスのような聖人をはじめ、様々な妖精たちがその起源となって いるようです。 例えばスラヴ地方にはサンタクロースの前身であるニコライ・チェドヴォリッツという妖精が、クリスマス になると子供たちにプレゼントを配るという伝説があります。 それにしてもこの版画、題名は「ニコライ・チェドヴォリッツ」なのですが、木の下にいる数人の人影の どれがチェドヴォリッツさんなのか作者に問い合わせたところ、描いた本人もわからないとのことです。
(妖精にも「子孫」なんてあるのですねえ・・・。) このファーザー・フロストにはシンデレラにそっくりな伝説があります。可愛そうな少女が意地悪な継母の 命令で冬の妖精のところにお嫁に行かされます。しかしファーザー・フロストは継子が心優しかったので 素敵なクリスマスのプレゼントと共に家に帰してくれました。 それを妬んだ継母は実の娘をファーザー・フロストの元へ行かせました。 ところが妖精はわがままな実の娘に怒って、凍え死にさせてしまったということです。 これがファーザー・フロストだそうですが、後ろにいるのはなんでしょう?背後霊かと思いましたが、 作者に問い合わせてみたところ、ファーザー・フロストの実の娘である「雪娘」さんだそうです。 これは失礼いたしました。 他にも北欧にはトムテというクリスマスの小人の妖精がいます。サンタクロースの手伝いをして プレゼントを配って回るそうです。
ここには馬に乗ったトムテもいますが、馬やトナカイなどの動物もまた、クリスマスの時期に異界と 現世とを橋渡しする役割を持つ存在とされています。 とは言いましても、小さな身体のトムテが乗っている馬は、トムテと同じくらい小さいのでしょうか? これも問い合わせててみたところ、やはり作者にも分からないそうです。 これらの人形の姿形は作者の手前勝手なイメージですので本当のところはわかりかねます。 ご了承くださいませ。
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